『またつまらぬ映画を観てしまった…』『こんな駄作を撮るのは最後だと誓え!』
注意。以下ネタバレを含むが地雷を踏みたくないという老若男女は読んでもかまわぬ。
―「鳴物入りで公開されたわりには寂しい入りでしたね。内容もまた寂しいものでしたが」
破「CGのホタルが飛んで、そのまた先にはCG丸出しの、無国籍なお城。で、四方八方から花火があがる。ゲームのオープニングにしちゃあありきたりじゃねえの?で。CG丸出しの景色を上から眺めて『絶景、絶景』っていいギャグだよな。おまけに六平直政の役名が『紀伊国屋文左衛門』だろ?もう歴史物だと思うのは止めたって」
―「ガハハハ(笑)」
破「いやあ、本編が始まる前に、ポテト全部食い終わっててよかった。途中で何回も噴き出したもの。時代劇風なのにまともな丁髷姿の人物がいない。まああ世界陸上のMCとか、今年の大河ドラマの主役みたいに、おかしな髷姿を見せられるならいっそ無しにしちゃうというね。新しい表現だと思っているんでしょ(笑)楽市楽座だからカリスマ美容師がいる美容院がどこにあるか探そうとしちゃったよ」
―「それにしても紀里谷監督、『カリオストロの城』好きなんでしょうねえ」
破「五右衛門が使ってたねえ。ワイヤーじゃなくて鎖みたいだけど、あんなに長い鎖重くて持てないだろ」
―「え?この世界の忍びって超人じゃないんですか?若しくは監督がでっかいコントローラーで動かすゲームキャラクターでしょう。まるでスーパーマリオみたいなジャンプでしたから、だから問題ないんですよ」
破「じゃああんな小道具なんかいらねえじゃん。最初から超能力でピュンピュン跳び回ってりゃあいいんだよ。それと城で江口洋介と対面する広末涼子、あれもクラリスとルパンの対面シーンの影響アリでしょ?それと後半で城に乗り込んでいって刀一本建造物を破壊するはチェ・ホンマンを大切断しちゃうあれは十三代目石川五右衛門だろ?どう見ても斬鉄剣だし。で、結局のところ江口洋介は何がしたかったんだろうね?さっぱりわからない」
―「なんででしょうね。あれだけ超人的な能力があるのに、大沢たかおが処刑されるのは見てるだけですもんね。せめてガキだけでも助けりゃいいのに」
破「『パンドラの箱』の話を知ってるくせにな。子供って希望のアイコンとしては一番わかりやすいじゃん。とにかく、これも多くの人が語っているから手短に済ませるけど、やれ搾取される民衆とか、格差が広がる社会だのという御託を並べるくせに、貧民から成り上がったとされる秀吉(奥田瑛二)や三成(要潤)はぼろ糞にけなすし、嫌なやつに描かれている。で、ハイソな出身の家康は扇子で肩叩かれて御終いだろ?『映画秘宝』でも指摘されてたけど、選民思想バレバレじゃん。それで強くなれだの復讐は望まないだの、血を流すのはいつも民たちとか、権力がどうとか、監督はそこが語りたいんでしょ?でもそういうのは全部台詞というか説教タレテ済ますって、やり方としてはセンス無しだよ」
―「『CASSHERN』に比べたらずいぶんマシになったらしいですけど(笑)」
破「宇多丸師匠も語ってたけど、熱意だけはあると思う。少なくともこの夏公開される、長編漫画原作を映画化した第3章の監督に比べりゃね。でも熱血バカって始末に悪いってのもまた確かなんだなっていうことの再認識でしかなかったよ」
―「ボンボンの道楽の域は超えられませんでした」
破これも十三代目五右衛門の台詞だけど、修行が足りないね。あきらかにさ」
追記
信長を中村橋之助(梨園の人で三田寛子の旦那)、秀吉を奥田瑛二っていう配役もなにか意図があるのかもしれない。伝統芸能出身者と、売れない時期は嫁さんに助けられた叩上げの役者っていうことでさ。
あと福田麻由子は良かったね。背負わなくてもいい不幸を背負う少女を一人で請け負う役は今や彼女の独壇場だ。芸域が狭まらないことを祈る。


Comments
ふーむ。
大変参考になりました(笑)
私も紹介番組見ただけで吹き出しそうになりましたけれど、実際のものもそういう要素満載だったわけですね。それはそれで逆に見てみようかという気もしないではないですが…
私は映画見ない状態が続いておりますが、無料招待券を貰ったので今度「天使と悪魔」でも見に行く予定でおります。
レビューを書くほどのインパクトを受けるのかどうかは分かりませんけれども。
Posted by: 川の果て | June 05, 2009 at 19:03
トラックバック有難う御座いました。
かなり意外でした。恐らくは自分(giants-55)
と同じく「B級作品大好き派」と勝手に思っておりました破壊王子様だけに、今回の映画は「B級作品の王道を外れている!」と御怒りになられるだろうけれど、ぶっ飛んだ作品という意味では高評価を下されると思っておりましたので(笑)。
TVのCMであのハチャメチャな衣装を見られたら、その時点で時代考証やら何やらというのをこの作品に求めるのは野暮。「何じゃこりゃー!?」と松田優作氏の如く突っ込みを入れつつも、自分は娯楽作品としては結構楽しめました。少なくとも「CASSHERN」よりはましかと・・・って、結局は其処に帰着してしまうんですけどね。
Posted by: giants-55 | June 06, 2009 at 00:18
川の果て様
興が乗ったならOKだと思います。が、金があったら浅草に小〇美〇子の踊り子デビューを見に行った方がよかったなと思いました。
giants-55様
本人はハリウッドというか世界に勝負を挑んでいるつもりらしい。で、そのためにチキンなどかじらせているのです。たとえ30億かけようが多分こういう映画しか撮れない人なのでしょう。
正直『ぶっとんでいる』という表現はあまりないです。だってどこかで見たような映像をはめ込んでいるだけにしか見えませんし、(鍛えりゃ超人になるというわけでもないみたいです)
主題を演説・説教調の台詞で片付けてしまうなんてのは、映像表現者としては愚策もいいところです。
褒めるとしたら熱意だけですが、『空回り』という形容がついて回るもの。
それなら薬から立ち直るために、まさに裸一貫からやりなおす元グラドルの踊りの方がいいっていうことです。
あー、見てえ(爆)
Posted by: 破壊王子@席亭 | June 06, 2009 at 22:41